2011-02-11

金子みすゞの展示会

 2月10日に日本橋三越で開催中の「金子みすゞ展」に行ってきた。平日の昼間にもかかわらず、会場は大混雑。年配の女性が多く、たくさんの展示を観ていた。中には白い杖を持った人の傍で、ひとつひとつを解説している方もいてファンの幅の広さに驚いた。
 南医療生協のキャッチフレーズにも使っている「みんなちがってみんないい」と結んだ代表作の「私と小鳥と鈴」や、「こっつんこっつん、打(ぶ)たれる土は」ではじまる「土」など、よくこれだけの大きな世界を簡潔にまとめあげたと驚く。
 みすゞの生まれ育った山口県先崎の町並みや地図なども展示してあってながめた。5年ほど前に妻とある安いツアーで先崎を訪ねたことがある。みすゞ記念館による時間はなかったが、静かなたたずまいの町並みを見ることができ、みすゞの過ごした時代を偲ぶことができた。
 と同時に私にとって先崎は、かつて朝鮮から強制連行された方たちが、第二次世界大戦後に開放されて日本から帰国するとき集まった港として印象深い。競い合って小さな漁船を借りて、朝鮮の釜山を目指した。ところが老朽化した船や、台風などの影響もあって難破した船が少なくない。このため犠牲になった方々が少なくない。

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