2011-09-25

被災地に育て仙台白菜

 津波で被害を受けた田畑は、塩害で作物が育たない。そこで土を入れ替えて、かつ塩分に強い仙台白菜を育てて商品化するプロジェクトが「みやぎ生協」で始まった。名付けて仙台白菜プロジェクト。訪ねた生産地は、宮城県石巻市矢元のある農家。水田と畑の全てで作物を作ることができなくなり、ご主人は市内のガレキの撤去作業でバイトをしている。それでもどうにか農作業をしたいと、この仙台白菜に挑戦した。仙台白菜は、戦前まではよく作っていたようだが、その後は商品化されていない。今回はそうした伝統野菜をJAと生協で復活させ、さらには仙台のある高校の調理科が協力して、漬物でなくケーキなどの新しい商品にチャレンジするというから楽しみである。
 順調にいけば11月中旬には収穫することができるそうで、ぜひうまくいって欲しい。

2度目の気仙沼

 7月31日に仙台へ入り、民俗学者で地元学を提唱されている結城登美雄さん宅を訪ね、生産者に寄り添う大切さを教えてもらった。8月1日は、朝「みやぎ生協労組」の赤松委員長の車で石巻に入り、蛇田店の伊藤店長、大和地域代表理事、共同購入石巻支部の斉藤支部長、「こ~ぷのお家」の丹野施設長に会って、震災後の取り組みを聞いた。沿岸部が沈下し、生協の1つの店は満潮時に冠水するので閉店になっている。次回にゆっくりと時間をかけて石巻に入る予定で、翌日の2日早く南三陸町に向かい、志津川漁協とある組合員さんを訪ねて話を聞いた。
 夕方に気仙沼に入り、三浦支部長や春日地域代表理事に会って、今回の取材について協力をお願いした。その後6日まで組合員集会室に滞在させてもらい、水産業者、仮設住宅、復旧を目指す会社、避難所、図書館などを訪ねて聞き取りなどをした。5月のときに比べると、ガレキはだいぶ撤去され異臭も少なくなっていたが、それでもまだ復旧にはほど遠い。
 それでも嬉しかったのは、街のあちこちに咲くヒマワリの花である。支援者が市民を元気づけようと、ヒマワリの種を贈ってくれたようで、それは街が明るくなっていた。