2013-04-05

桜の下で

 過日に上野公園を横切った。いたるところが満開の桜で、それは見事であった。小鳥が桜の花を口にして蜜を吸い、終わると花びら落とす。そよ風にも花びらが、優雅に舞い始めていた。寒い冬から温かい春になったことが誰にでもわかり、知らず知らずに心が浮き浮きとする。朝の9時過ぎであったが、すでにブルーシートなどを敷いて、夜の花見の場所取りをしている人たちもいた。それほど桜の花を愛でる人が日本では多い。  それはそれで結構なことだが、ふと見るとホームレスの姿が桜の下にいくつかあり、その1人は女性であった。夜になればまだ冷えるし、まして雨でも降れば雨宿りする場所探しも大変である。飲めや歌えの花見の傍で、こうした社会的弱者が存在する。日本の経済力は世界の第3位であるにも関わらず、未だにホームレスの姿はなくならないし、むしろ増えている地域すらある。社会の何かがおかしい。  形は異なるが、アベノミクスによる円安で自動車などの輸出産業は浮かれていても、石油などの輸入産業はたいへん困っている。また日本にプラスとなったとしても、相手国には逆の効果を及ぼすのでマイナスになる。1つの価値観だけで判断する危険性がここにもあると私は心配する。

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