2013-04-09

捕まえた鯉

 昨日のことである。犬の散歩で近くの水田を歩いていると、一昨日の大雨で増水している小さな水路が波立っていた。蛙かと思ったが背びれがあって違う。よく見ると大きな鯉が数匹いた。「これはしめた」と捕まえて家に運び、庭に置いた大きなタライに水をはって放した。写真がその鯉で、全長50cmほどもある。子どもの頃に高知の田舎の小川などで、よく魚を獲っていたことを思い出した。あの頃は、50cmほどのフナも捕まえて食べたものだ。貧しい農家だったので炭で魚を焼き醤油を付けて食べただけで最高に美味しかったし、何より魚を追いかけた興奮は今も鮮明に覚えている。この経験から食べる喜びとは、皿の上の料理を味わうだけでなく、素材を手に入れるときから始まると私は自覚している。もっともここでは放射能の汚染が高くて食べるわけにいかず、孫たちの観賞用である。近所の人に見せたらよく素手で捕まえたと驚き、その1人が「死んだ鯉は柿の木に埋めると、柿がそれは甘くなる」と教えてくれた。庭に2本の柿の木があるので、できればそうしたいものだが、これも鯉で濃縮した放射能が影響するので助言にそうわけにはいかない。孫たちが見て楽しんだ後は、いずれ近くの小川に放すつもりである。  陸上の放射線において問題視されているのは2種類のセシウムである。セシウムはもちろん危険であるが、原発の汚染水には64種類もの放射性核種が含まれているとのことであり、骨や肉により付着しやすいストロンチウムなども、陸上を汚染していると考える方が自然ではないだろうか。大変な世の中になったものである。

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