2013-05-20

TPPと自民党農政の行方

 5月18日(土)1時半から4時半まで、文京区民センターの会議室において、所属する日本科学者会議食糧問題研究委員会の公開研究会を開催した。報告者は、日本農業新聞社の藤井庸義さんで、昨日首相が発表した農家の所得倍増計画の「攻めの農林水産業の具体化の方向」もあり、参加した20名と一緒に興味深く聞いた。
 そもそもTPPは、環太平洋の国々で貿易を活発化させるとしているが、アメリカの国益を守るためのものであるし、すでに交渉は進んでいるが、どのような内容なのか秘密裏に議論がされているので、確認事項もよく分からない。藤井さんの話では、国民やマスコミだけでなく、政府の中でも農林水産省にも情報が流されていないとのこと。都合の悪いことは全て秘密にし、公になったときは決まった後になるとのことで、これでは民主主義の完全な否定でもある。
 これまでの人類の叡智は、民衆の議論も含めて民主的に進めることであったが、農業だけでなく金融や医療などの多方面のあり方に大きく影響を及ぼすことに、時代錯誤もはなはだしく秘密で進めるとは言語道断である。
 日本の農林水産業が壊滅すると言われているTPPを安倍首相は進めつつ、昨日は農家の所得倍増計画を発表した。2つの方針が両立することは絶対にありえないことで、政府もそれぞれ別のものとして発表しているが、これほど人を馬鹿にした話は
ない。今後ともTPPの動向を注目する必要がある。

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