2015-03-20

第3回国連防災会議に参加して

 3月14日から18日まで仙台市において第3回国連防災会議があり、それと並行して開催されているパブリック・フォーラムシンポジウムが多数あって、15日から17日まで参加した。前者は政府関係者などが集まり、日本からは安倍首相などが参加して、「東北での震災復興は順調に進んでいます」と、表面的なきれいごとを言っているから聞いても参考にならない。
 それに比べNPOなどによる真面目な企画がいくつもあり、それらを選んで参加した。1つがJDF(日本障害フォーラム)などが企画した「身体障害に関するUNDESAフォーラムー包括的な防災とレジリエンス:社会的一体性が命を救う」で、先の震災で死亡率が健常者より障害者が2倍高いことを紹介し、その背景や対応についての議論があった。宮城県に限定すれば、その差は3倍以上にもなるとのことで驚く。たくさんの障害者の方たちが参加し、日本語と英語の手話もあった。
 「せんだいの杜の子ども劇場『笑顔でつながる杜の子まつり』報告と心のケア講座」も刺激的であった。スマホやゲーム器で子どもの健康が阻害されており、それを防ぐ市民の運動が専門家を交えて進んでいる。明るい中年女性たちが輝いていた。
 「大震災の経験に学び、防災・復興のあり方を考える」では、私も所属する日本科学者会議の主催で、兵庫県立大の室崎さんや東北大の片山さんなど、各分野での第一人者9名をそろえての内容の濃いシンポであった。3時間のシンポの後で関係者
の懇親会があり、それに参加させてもらい、室崎さんの前に座って懇親させてもらった。国が進める高台移転に当初から反対し、どんな地域にするかの哲学から構築すべきとの貴重な問題を提起している。今も毎週の土日は被災地に入っているとのことで、その科学者魂にはただただ敬服した。

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