2016-02-03

雪の飯舘村仮設住宅を訪ね

 1月30日の昼前、新幹線を使い上野から郡山駅まで行き、在来線に乗り換えて松川駅で3時頃に降りた。前日の夜に埼玉で宿泊して車で向かう予定であったが、大雪になるとの予報で電車に変更した。駅から徒歩で20分ほどに目指す飯舘村松川第一仮設住宅があった。村民6000人が、村を離れて久しい。すっぽりと雪におおわれ、200世帯ほどの仮設が並び、雪かきをしていない通路もあった。
 4時前に集会所へ入り、自治会の高齢者の方たちと5時からの合唱団の発表に向けた会場設営で、テーブルや椅子を並べる。「愛とヒューマンのコンサート」であるが、今回は大阪の合唱団27名が来て、元気な歌声を1時間ほど聞かせてくれた。6時からは、仮設の30名ほどの住民の間に大阪の人たちも入って、弁当やオードブルを前にしてビールやお酒を飲みつつ楽しく歓談した。ギターによる生オケもあり、懐かしい歌がいくつも出た。合間に私は、『南国土佐を後にして」を歌わせてもらった。
 
 仮設に住む80歳の男性は、来年春からの帰村のときに、どうするのか迷っていると胸の内を語ってくれた。2haの水田があり、田植え機やコンバインもあるが、7年も使わなければ錆びついてメンテナンスに多額の費用がかかる。それ以上に、田畑の除染はしてないので、そこでもし作物ができても、安心して販売できるのか不安でもあった。子どものいる家庭も帰村は不安で、すでに帰らないと決めている人も少なくない。来年に向けて、仮設住宅はこれまでになく揺れるだろう。仮設住宅からお手製の濁り酒が何本も届き、美味しくいただきながら、定刻の8時まで交流が続いた。


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