2016-02-23

日本の社会を根底から変えるTPP(環太平洋経済連携協定)

 22日にTPPフォーラム「日本の農業と食の安全、協同組合の行方」が衆議院第一議員会館であり、古巣の生協総研からの案内もあって参加した。内容はタイトルと少しずれていたが、サブにある「海外の専門家が指摘する影響と問題点」を2人から聞き、TPPの本質を知る上でたいへん役立った。
 これまでTPPは関税の撤廃であり、その関連で日本の農業がより疲弊するのではと私は心配していたが、農業問題は24ある作業部会の1つでしかない。メインは金融と投資にあって、一言で表現すればアメリカの一部の金持ちに役立つように、日本の社会制度を根本から変更することである。それは韓国でポイズン(毒)条項と表現している「投資家と国家間の紛争解決」(ISDS)条項において、投資家が期待した利益を投資先国の規制で得ることができなかったとき、投資先国を訴えることができることを見ても明らかである。その訴えを受けて決済するのは、アメリカの作った世界銀行の傘下にある国際投資紛争解決センターであり、投資家の利益を守ることを目的にしているから、TPP以前にもこの条項を入れた協定をアメリカと結び、これまでもカナダやエクアドルなどの政府が敗け、アメリカの投資家へ多額の賠償金を支払う判決をいくつも出しているから構造はわかる。
 このフォーラムは2時半から5時半までで、その後続いて「TPP交渉差止・違憲訴訟の会」による第3回口頭弁論の報告会となり、1時間ほど聞かせてもらった。この会は、TPPが①憲法25条の生存権、②憲法13条の幸福追求権、③憲法76条の司法主権、④憲法21条の知る権利に違反しているとして裁判を闘っている。
 こうしたTPPが締結になれば、日本の法律はもちろんのこと憲法までが大きく変質させられる。お金の役割りはもちろん認めるが、他人の犠牲によってさらに金儲けをする制度は、どう考えてもすべきでない。そんなにTPPが重大な問題をはらんでいると私は知らず、もっとTPPを注意しなければと痛感した。

 

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