2016-05-14

「文章表現」の講義をスタート

 「人助けして」との知人の依頼を断わりきれなくて、ある看護師養成学校で「文章表現」の講座を半年間することになった。週1回90分の15コマで、5月13日は初日であった。27人の学生は、女性26人の男性1人で、20歳から50歳までいる准看護師である。学卒から社会経験のある人の混在で、どの層に向かって説明すればいいのか迷ってしまう。
 初回はオリエンテーションとして、効果的な文章表現のためにも、まず自らが何を発信したいかが大切であり、そのため自分の頭できちんと考える必要性を説いた。その学校の教育目標に、「主体的に学び続ける姿勢を養う」とあり、それにも通じる。
 ところで明治政府が富国強兵政策で訳した教育との言葉は、元は英語のeducationやドイツ語の erziehungであるが、この意味は個人の内部から素晴らしい個性や力を引き出すことであり、上から教科書を伝え教え育てる「教育」ではなく、この講義も皆さんと一緒に楽しく進める「共育」でいきたいと強調した。
 今の日本に正看護師は約150万人いて、毎年5万人の新しい正看護師が誕生している。ところが毎年15万人もが退職している。定年もいるだろうがかなりの数であり、それだけ仕事や職場環境も大変なのだろう。それでも問題を社会や他人任せにするのでなく、個人でできることや仲間と一緒に改善していくことの大切さにも触れた。
 話しながら学生を見ていると、半分くらいは熱心にメモをとっているが、うつろな目をしている人も少なくなかった。以前にある大学で90分の特別授業を広い階段教室でしたときは、最初から寝ているとか、メールのやり取りをしている学生が何人もいてガッカリしたが、それに比べればまだいい方である。
 ともあれせっかくの機会なので、自らの文章力の点検や、考えていることを効果的に相手へ伝える方法などについて、残りの14コマで楽しんでみたい。

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