2016-06-16

ふくろうこども食堂を訪ねて 

 2012年頃から各地で、家庭の事情などで食事の不充分な子ども向けの子ども食堂が誕生して話題になっている。育ち盛りの子どもの夕食が、カップラーメン1個とかバナナ1本だったり、もしくは欠食ということもある。
 そうした子どものために、無料か100円~300円ほどの低価格で作りたての食事をボランティアで提供している。場所は自宅もあれば、集会場や教会やお寺などさまざまだし、開催頻度も月1から週1などとまちまちである。要は主催する人たちの責任持てる小さな範囲で、メミューや食数も異なる。
 そうした1つが、都内の池袋にある労働者生産協同組合(労協)本部で開催している「ふくろうこども食堂」である。月1回のペースで3回目となる6月14日に、エプロンとバンダナをさげて訪ねた。
 3時から呼びかけ人に概要の話を聞き、4時から会場にある厨房で調理の手伝いをさせてもらった。メニューは、鳥の空揚げ、大根・あぶらげ・インゲンの煮物、ポテトサラダ、キャベツの千切り、卵のスープ、ご飯であった。いくつかの食材は寄付で賄い、肉などは募金や参加費などで集めた資金から購入している。ボランティアは労協の職員で、女性4人と男性が3人で、調理と会場設営などで動いていた。予定の利用人数は40人とのことで、レシピカードを見ながらの作業が1時間ほど続き、開店の5時になると子ども連れの親子などがやってきて食べ始めた。
 40席ほどあるホールでは、窓際におもちゃや絵本などを置いてあり、食事を終えた子どもの遊び場になっている。また労協の女性組合員の2人が、席での傾聴役として参加し、子育ての相談などにものり親の支援にもつながっていた。
 8時に食堂を閉め、約30人ほどの利用があった。ボランティアで関わっていた2人の労協職員から話を聞くと、「地域とのつながりを実感できる」とか、「子どもから感謝されて嬉しかった」など、デスクワークでは得られない達成感を喜んでいた。
 すでに労協では、北海道や沖縄などでも開催している。また同じ取り組みをスタートさせた地域生協や医療生協もあり、さらに拡がっていきそうで楽しみである。

0 件のコメント:

コメントを投稿