2016-07-09

20ミリ・シーベルト受忍論は基本的人権無視 7月上旬飯舘村訪問記

 7月2日から6日までまた福島を訪ねた。来年春の飯舘村帰村に向け、この7月1日からは村内の長期滞在が可能になっている。そうしたこともあり、飯舘村を訪ねるとあちこちで建物の修復や建て替えがすすんでいる。


 人が安全に暮らすことのできるレベルに放射能が低減していればいいのだが、残念ながらそうではない。健康を害する危険な状況はほとんど変わらないのに、基準を国がかってに大幅に緩和して、「安全だから帰ってもいいですよ」と帰村を促している。
 ここで使われているのが20ミリ・シーベルト受忍論である。今でも国際基準や日本の法律でも、国民の1年間にあびてもかわない範囲は1ミリ・シーベルトとしているが、20倍の20ミリ・シーベルトまでであれば安全であるとの説が福島では使われている。もっとひどいのは、100ミリ・シーベルトは野菜不足の健康被害リスクよりも低いとの暴論で、これはカラー刷りのパンフになって飯舘村だけでなく各地で行政から配布されている。
 もし年間20ミリ・シーベルト(1時間では20ミリ・シベルト÷365日÷24時間=2.28マイクロ・シーベルト)が安全だと断言できるのなら、1~2マイクロ・シーベルト前後でもばく大な税金を使っておこなっている除染の必要性がなくなる。
 原発事故の被害を少なくし東電の賠償額を減らして、原発の再稼働や輸出などをもくろむのでなく、国民の健康と命を最優先にする政治や科学が求められている。
 

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