2017-01-17

ロシアの旅4 日本山妙法寺の平和行進の足跡

 サンクト・ペテルブルクの市内にあるニコリスキー聖堂を訪ねた。1762年にできたバロック式の大きな建物で、海軍の守護神でもあり、かつての日露戦争の日本海戦において戦死した兵士の慰霊碑もある。その建物の入り口の外のフェンス際に、四角で白く細長い棒が立ち、「May Peace Prevail On Earth!」と「世界人類が平和でありますように!」と明記してあった。20年ほど前に日本山妙法寺による平和行進がこの地であり、そのときに設置されたようである。1974年にベルギーで開催となった世界宗教者平和会議において、10月24日の国連創設記念日を含む8日間は、国家や宗教をこえて平和や感謝の祈りをし、世界に愛と光と平和を伝えることを決め、その後各地で取り組んでいるのでたぶんその1つだろう。
 ここで日本山妙法寺の平和行進の足跡に出会うとは驚きであった。日蓮から出発した日本の仏教の1つであるが、「世界の平和」を願うのであれば他の仏教はもとより、キリスト教やイスラム教やヒンヅュー教の信者でも、日本山妙法寺に参加することを歓迎しているから凄い。1917年に満州において建立した藤井日達からスタートし、例えば原水禁運動などで手太鼓を打ちながら、大きな声で「南無妙法蓮華経」と唱えている信者たちである。このため非暴力で自らをヒンヅュー教徒であり、同時にイスラム教徒で原始キリスト教徒でもあると称していたインドのガンディーとも藤井日達は直接会って意気投合した。
 どちらも「神は真理である」では異なる神によって宗教の対立する危険性があるので、そうではなく「真理は神である」としてあらゆる宗教の普遍化をめざした。個人、家族、地域社会、国家、世界などの平和を実現するため、大切な思想の1つだろう。
ニコリスキー聖堂の正面にて

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