2017-02-07

1月の被災地訪問3


 2月1日は、朝から和田さんの車に乗せてもらって二本松へ移動し、午前中はアクセスホームさくらを訪ね、作業所の見学の後で渡邊幸江理事長から話を聞かせてもらった。元は浪江町にあったため、原発事故で避難する中で再開を諦めたこともあるが、二本松に来て再度、障害者が地域の中で安心して生活を営むことができるよう、社会参加活動や就労支援をしている。ガーリックや黒糖などでの特徴あるラスク菓子作りもしており、通販で全国にも流している。いくつものラスクを土産に買わしてもらい、帰ってからいただいた。
 昼飯は、同じ就労継続支援B型事業所のNPO法人コーヒータイムが運営する二本松駅前にあるカフェで浪江焼きそばを食べ、その後で橋本由利子理事長から話をうかがった。ここも元は浪江にあった施設で、使っている木製の大きなテーブルとイスは、浪江からわざわざ運んだ思い出のつまった家具でもある。
 働いている中年の女性からも話を聞いた、精神面でいくらか障がいを持ち、定期的に医師を訪ねて薬を今も服用しているが、外見ではまったく健常者と同じであった。福島だけでなく全国から講演の依頼があり、震災後の話をしているから凄い。カフェでの接客だけでなく、紙製のボールペンに滑り止めの色糸巻きなどの作業もある。どれも仕事は楽しいとニコニコした顔で話していて印象的であった。両親と妹が南相馬の仮設住宅で暮らし、今度そこの集会所へコーヒータイムが出張して、温かいコーヒーと美味しいお菓子を提供する計画があり、そこに参加して親や妹を喜ばせたいと明るく話していた。きっと両親も大喜びすることだろう。作業して受け取る利用者さんたちの工賃と呼んでいる収入は、どこも月に1万円から良くて2万円ほどである。これに障害者年金の月7万円ほどを加えても、自立した生活はかなり難しい。それでも明るい顔で働いている。あらためて人にとって働くとは、いったいどういう意味があるのか考えさせられた。
 2人の女性理事長の素敵な笑顔も印象的であった。放射能の汚染からの避難という大変な中でも、障がい者を含めた仲間の信頼をさらに強め、新たな地で役割りをさらに拡げている。
 

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