2017-06-08

映画「スノーデン」を観て

 凄い映画であると同時に、私を含めて世界中のメールや携帯電話を盗聴する仕組みができている事実に底知れない恐ろしさや怒りを感じた。
 オリヴァー・ストーン監督が、アメリカ政府による国際的な個人情報監視の事実を暴いた「スノーデン事件」に迫るドキュメント風映画である。CIAおよびNSA(アメリカ国家安全保障局)職員だった愛国青年のエドワード・スノーデンが、恋人との幸せな人生を捨ててまで、2013年6月にアメリカ政府がひそかに作り上げた国際的な監視プログラムの存在を内部告発する前後の9年をていねいに描いている。
 1つの場面に日本が登場する。スノーデンはNSA在職中の2009年に在日米軍の横田基地で勤務し、日本の通信網を支配し、送電網やダム、交通機関などインフラ施設をコントロールする「スリーパー・プログラム」を仕掛けていたと告白する。日本列島の南から順に街全体の灯が消えて真っ暗になり、「日本が同盟国でなくなる日が来たら、"消灯"」というスノーデンのセリフがあった。原発もけっして例外ではないだろう。
 来日時のインタビューで監督は日本を「同盟国でなく人質を取られた国」と話している。 
 映画のラストでロシアに亡命したスノーデンが、ネット中継で公の場に姿を現す。国際的な盗聴という違法行為を平然とアメリカは行い、しかもそれに世界的に有名なIT企業が協力している現実にスノーデンは義憤を感じたと述べた。
 恐ろしい映画だが今の社会の現実を理解するためには、ぜひ観るべき映画だろう。 
 ちなみにスノーデンが、6月2日付けの東京新聞において、「共謀罪 監視が日常に」と警鐘し、NSAで使っていた大規模監視システムは、すでに日本へ2013年に供与した文書を公開している。もちろん安倍政権は認めてないが、私はスノーデンを信じる。
 
 

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