2017-07-04

哲学者内山節さんの寺子屋に参加

 『自然・労働・協同社会の理論』(内山節 農文協 1989年)を読んで鋭い文明批判に興味を持ち、インターネットで検索していると月に1回のペースで寺子屋を開催していることを知り、7月1日の夕方から会場の亀有駅近くにある延命寺を訪ねた。
 本堂の下にある会場を訪ねると、以前にストリート・チルドレンのスタディー・ツアーでフィリピンを一緒に訪ねた植田さんがいて互いに驚いた。
 20人ほどが集まり、5時から参加者の1人が「亀と暮らしながら考えたこと」を報告し、その後で内山さんから選択本願念仏集について興味深い話があった。法然の名前は聞いたことがあっても、その思想や念仏集にまでは触れたことがなく、浄土宗の考えのポイントや、関連して民衆仏教としての変遷なども聞かせてもらい、日本の仏教の流れを少し理解することができた。話の後で自由討論の時間があったので、私は初めての参加で勉強させてもらったことを感謝しつつ、スリランカやネパールで原始仏教に少し触れて、そもそも釈迦は絶対的な神の存在を否定していたし、僧が現金をもらわないなど日本の仏教と根底から異なる仏教が存在することや、日本の民衆信仰では正当な仏教の流れだけでなく、例えば七福神に代表されるいくつもの宗教を網羅した動きも見る必要があるのではと報告させてもらった。
 8時からは横の広間において、各自が持ち寄った品々をつまみながら立食での懇親であった。私は手軽に豆の菓子と冷凍の枝豆を持参したが、手作りの豆腐や料理がいくつもあるし、さらにはビール・ワイン・日本酒もたくさん並び、これで参加費が500円とは驚きである。それも日本酒は純米や吟醸で、嬉しくなって何杯もいただいた。
 内山さんとも少し懇談することができたので、独自の哲学を創り上げるプロセスについて訊ねたりしたが、「特にない」とのこと。立ち話で簡単に説明できることではない。こだわる宗教を聞くと、「近いのは修験道かな」とのこと。山に入って修行し悟りを得る日本古来の山岳信仰と、仏教が組み合わさった日本独特の宗教である。そこまで考えを巡らしているとはさすがである。
 たくさんの著書の中から関心のある中古本8冊を注文してあるので、それらを読んでからまた内山さんと懇談し、いつの日か3・11からの復興哲学と生協哲学のヒントをどうにかして得たいものである。

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