2017-07-17

枯葉剤を日本各地の山林に埋設  高知に帰省し1

 7月12日から年に1回の墓参りで、今回は一人で故郷の高知へ帰った。今年の春前に老人施設へ入った95歳になる母や、私が子どものころよく世話になった親類を訪問などした。

 インターネットで第24回『週刊金曜日』ルポルタージュ大賞入選作「枯葉剤がカワウソを殺した」のブログを見て知ったジャーナリストの成川順さんを、いの町の自宅に訪ねた。1949年生まれの同じ齢である。
 ベトナム戦争で大量生産した枯葉剤の不良在庫を抱えたアメリカは、処分に困まり何と日本政府へ押し付け、我が国の国有林に除草剤として散布し、それでも処理しきれなかった大量を山に埋設しているから驚いた。
 仕組みはこうだ。枯葉剤は、強力な除草剤である24Dと245Tを1:1の比率で簡単に混ぜて完成させる。このため24Dと245Tのそれぞれは、除草剤として「合法的」に製造しかつては利用できた。
 それも北海道、青森県、岩手県、福島県、群馬県、山梨県、愛知県、岐阜県、広島県、愛媛県、高知県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県と全国に広がり、高知県内では、西土佐村、窪川町、本川村、北川村、大豊町、安芸市、土佐清水市、津野町、宿毛市と多く、私の故郷を流れる仁淀川の上流にも埋設してあるから、仁淀川の魚の減少にも影響をきっと与えているだろう。
 かつてベトナムを訪問したときホーチミン市の戦争記念館で、ホルマリン液に浸かったおびただしい奇形児を観た。同行した妻は入口で顔色を変えて一歩も入らず、私だけが恐る恐るやっとのことで見て廻った。どれもこれが人間の胎児かとビックリする形で、私の膝はガクガクしていた。
 そんな猛毒を、日本の豊かな山林に今も置いてある。コンクリートの容器で保管している場所もあるが、中には一斗缶ですでに腐敗して薬剤が流出しているものもある。
 他にも高知白バイ事件の話を聞いた。停まっているスクールバスに白バイが衝突し、警察官が死亡した事件で、警察は証拠をねつ造してバスの運転手を有罪にしたとのこと。
 私は、福島県飯館村の焼却炉で、放射能の除染した大量のゴミを燃やし、それから出た灰を建築資材に加工して全国の公共施設で使用する準備をしている話をすると、成川さんは初めて知ったと驚いていた。
 成川さんのブログ「平成・土佐日記」はhttp://blog.livedoor.jp/narijun1-ryou/
 貴重な写真などがたくさん掲載されている。ぜひ一人でも多くの方に読んでほしい。
 ジャーナリストが追究すべき権力の闇は、今もいくつもある。

0 件のコメント:

コメントを投稿