2017-07-18

「戦争と平和を考える資料展」と映画「母」を見て 高知に帰省し2

 高知市内の自由民権会館で高知「戦争と平和を考える資料展」がありのぞいてみた。民間の平和資料館である「草の家」が集めた戦争中の貴重な資料などを展示してあり、どれも見応えがある。会場の一隅では映像コーナーがあり、以前に開催した中国のスタディーツアーを放映していた。日本軍に危害を加えられた中国の人たちが、今でも傷痕の残る背中などを見せつつ当時の証言していて言葉もなかった。
 会場では、「高知の戦争ー証言と調査ー」の冊子を販売していて「高知における朝鮮人労働」など5冊を購入させてもらった。まだまだ記録として残さなくてはならない戦争関連の事実はいくつもあり、「草の家」の取り組みがさらに広がってほしいものだ。
 ところで戦争展などを見るといつも思うのは、戦争を72年前の過去の話だけにとどめるのでなく、今にどう引き付けるかもあわせて大切で、特に若い人や子どもに継承させるためには必要である。その点で平和学で強調している構造的暴力(Stracutual Violence)の視点はヒントになる。平和でないとは武力の衝突する戦争だけでなく、もっと広くとらえて経済格差、抑圧、基本的人権なども対象としている。つまり今の日本でも、広い意味で戦争につながる構造的暴力がいくつもあり、過去の話でなく今の問題としてみることが効果的である。
 自由民権会館では、後日に映画「母」を上映するとのチラシがあり、高知での最後の日であったのでこちらも鑑賞させてもらった。時の権力に虐殺されたプロレタリア作家小林多喜二の母の物語で、映画の完成したことは知っていたがまだ見てなかったので興味を持って足を運んだ。母親の目線で多喜二の生い立ちをていねいに描き、あらためて理不尽な時代でも正面から立ち向かって生きるとはこのようなことかと知ることができた。

 会場のチケット売り場には、「草の家」の西森さんがいて立ち話を少しした。家を立ち上げた故西森茂夫さんの奥さんで、平和関連だけでなく演劇などにも取り組んでいる元気な女性で、爽やかな笑顔が印象的であった。

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