2018-01-15

東日本大震災と障がい者報告1 内山節寺子屋にて

 13日の夕方から1月の内山節寺子屋があり、いつもは20人前後だが正月明けであったためか40人ほどで会場は満杯になった。前半の1時間を使い、私から「東日本大震災を生きる障がい者1」として岩手県陸前高田市と宮城県女川町の事例について、スライドを使いながら話させてもらった。震災で健常者より障がい者の死亡率が2倍も高かったこと、フランクルの『夜と霧』が震災後に年間3万部も読まれていること、そして内山節さんの『文明の災禍』で復興哲学が求められていることが、今回の私の問題意識になっているとまず触れた。
 陸前高田では、市長の提唱する「ノーマライゼーションという言葉のいらないまちづくり」に向け、当事者や外部の人たちも市に協力して具体化しつつある。市内の「あすなろ」作業所では、あらゆる境界線のない素敵な取り組みが進んでいる。
 女川では、唯一の作業所「きらら女川」が、津波で場所が確保できずに鳥取県に本体を移し、そこを拠点としつつ3年後で女川に新しい施設を造るなど信じられないほどの力を発揮して頑張っている。
 報告の後で20分ほど質疑応答があり、感想などを4人から聞いた後で、内山さんからのコメントをもらった。
 休憩後の内山さんの話は、「仏教史についてのメモ」を資料にして、インドにおいて原始仏教以前のバラモンから始まり、中国から日本に渡ってきての変遷についてであった。大乗仏教が各地の土着思想と融合し、日本で自然信仰と重なり、やがて顕教や密教へと発展していく。仏教の全体像を理解するうえで大変参考になった。
 後は各自の持ち寄った沢山のつまみとアルコール類で、楽しく懇談することができた。
 次回の2月3日は、「東日本大震災を生きる障がい者2」として放射能汚染下で頑張っている南相馬の事例を報告させてもらう。

0 件のコメント:

コメントを投稿