2018-05-14

千葉県の農家を訪ね 石井君の畑

 5月11日の昼過ぎに、折り畳み自転車を使って千葉県印西市にある農家を訪ねた。都市近郊の農業の現状を視察し、これからの農業の在り方を考えようとする、私の所属する日本科学者会議食糧問題研究委員会の活動である。
 船橋農産物供給センターから今回紹介してもらったのは、西瓜やメロンなどを栽培している石井さんで、直販所のブランドは「石井君の畑」でりっぱなロゴマークもある。この直販所は20年も前に開設し、10年ほどでファンが定着して、甘い西瓜やメロンの9割がこの直販所で販売しているというから凄い。
 2時に訪ねて白茄子の植え付けを手伝った。1反ほどの畑にマルチのビニールがかけてあり、マルチの切り込みに穴を開けてポットの苗木を入れ土をかぶせて押さえていく。単純な作業の繰り返しだが、とにかく数が多い。中腰になって1時間も作業していると、両膝がガクガクなってしまった。何とか4時頃に作業を終え、一休みしつつ話を聞かせてもらった。68歳の石井さんには、奥さんの他に今の農家では珍しく跡取りとして長女夫婦がいて、4人で畑と水田で働いている。
 石井さんに農業を成功させるポイントを聞くと、第一に土壌の特徴を知ってそれに適した作物を見付けること、第二にその土壌を豊かにして美味しい作物を育てる有機肥料を作ること、そして第三に林などの自然の中で育てるとのことであった。第三の理由がよく分からず聞くと、それは奥さんの意見とのことであった。そこで奥さんに教えてもらうと、都会の騒がしい中でなく林など自然の中の方が、作物のストレスにならず美味しくなるのではないかと感じていますとのことであった。農作物も同じ生き物であり、ストレスの少ない方が伸び伸びと成長するのだろう。
 ところでスーパーなどで販売している農作物は、カットして店に並べて販売しやすくするため、西瓜やメロンなどは堅い果肉の品種になっている。しかし、本当は果肉が柔らかく畑で熟した農作物が一番美味しいのでここではそうしており、それを味わった人はまた翌年も求めてくるとのこと。
 消費者が美味しいと感じる農作物をていねいに育てていて勉強になった。
 

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