2018-09-20

地域を元気にする農業

 9月14日の午後に、折り畳み自転車を使って千葉県印西市の有機農家を訪ねた。インターネットで地図を調べておいたが、駅から農家に進む道を1本間違えてしまい、約束の時間に少し遅れてしまった。
 訪ねたのは44才の櫻井修一さんが経営する櫻井農園。両親の他に13人ものパートさんを雇用し、水田1町7反、畑は路地で5町、ビニールハウスは1000坪で、米、小松菜、枝豆、ブロッコリーなどを育てている。畑の4町は他人の耕作放棄地の借地である。また3反の栗林を開墾し、ナス畑にするなど積極的である。
 年間の売り上げは約3500万円で、いずれ1億円を目指すとのこと。
 もらった名刺や枝豆を入れる袋には、「農業で地元地域を笑顔にします」と印字してあった。地域から耕作放棄地をなくし、元気な高齢者にも働いてもらい時給を渡す。こうして地域に笑顔を増やしつつあり、その思いは働く全員に伝えて共有しているから凄い。もちろん家計が黒字にならなければいけないが、あくまでも目的は地域の笑顔であり、そこに皆の働く動機をもっていっているので、農業の経験のない近くの新興住宅地の若いお母さんたちも楽しく働いている。
 9年間のサラリーマン生活をした修一さんは、働く人の気持ちがよく分かり、規格外作物を帰るパートさんに持たせたり、月2回の定休日を定め、昨年から全員を連れて1泊の温泉旅行にも行き親睦を深めている。
 日本の農業は、生産者の高齢化や後継者不足などで危機に直面している。しかし、すでに全国で約40万haという耕作放棄地があり、田畑は充分にある。若い専業農家は少ないが、高齢者や成人の女性は多くいる。さらには働きたくても働く場のない障がい者も多い。各自の条件に応じた働く場や作業を工夫すれば、新しく農作物を生産することは可能だろう。
 問題は、再生産のできる価格で消費者に届ける物流と販売先を確保することである。櫻井農園では、3から4割は船橋農産物供給センターを通して生協に流し、他は近くのスーパーなどに直接運んでいる。近郊農業の1つの在り方としてとても参考になった。
 下の写真は、ユンボを使って栗林を開墾し作ったナス畑

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