2019-03-26

映画「NORIN TEN“農の神”と呼ばれた男 稲塚権次郎物語」を観て

 24日に日比谷図書館にて、映画「NORIN TEN “農の神”と呼ばれた男 稲塚権次郎物語」を観た。2015年作であったが、今でも十分に見応えがある。日本の小麦の中で、寒さに強くてかつ収量も多い農林10号は、その後の品種改良にも大きく貢献した。それは国内にとどまらず、戦後にアメリカに渡った農林10号はメキシコへと流れ、そこから世界の各地へと広がり、多くの人々の飢餓を防ぐなど多大な貢献をしている。貧しい農家に産まれた権次郎は、いろいろな人の協力も受けつつ地道に努力して農林10号を開発し、戦争など政治に翻ろうされながらも、晩年まで農に寄り添って生きた。そうした史実にもとづく映画であった。
 映画の後で、龍谷大西川芳昭教授と稲塚秀孝監督のトークショーがあった。種子法廃止やゲノム編集などにより、種子が金儲けの対象となる環境が一段と我が国で進もうとしている。そうした中で人類の共通財産である種子が、世界を自由に旅し、それにあわせて人も動くことが人類発展の歴史であり、それを一部の企業の利益の手段にすべきでないとの2人の話は説得性があった。

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