2011-03-28

フィリピンでの遺骨収集でとんでもないことが

 フィリピンの首都マニラでは、日本語による日刊紙「マニラ新聞」が発行されており、その3月27日付けの紙面がメールで送付されてきた。「盗骨被害者の男性自殺 遺骨収集に『無言の一石』イフガオ州」と大きくあり、小見出しは「協力費が『盗骨誘発』自殺の比人男性 村人分断の渦中に」とあり、このまえフィリピンで別れたばかりのセサーの顔写真が大きく載っている。
 2008年から日本の民間団体が、1柱につき4000ペソ(約8000円)で日本人の遺骨を集めていた。8000円は、日本ではさほどの価値はないが、現金収入のないフィリピンの山奥では、人の良心を奪う。古い骨で、日本人かフィリピン人かの区別はできない。金のために何と、地元で大切にしている現地の墓を掘り起こして換金する人が出始めた。セサーの墓も荒らされて、夢に先祖が出てきて嘆いており、ご先祖の霊をなぐさめるため豚3頭を使ったお祭りを準備していたそうだ。日本の民間団体のやり方が問題として、マニラにある日本大使館に抗議もしている。
 セサーには、8歳から1歳までの子どもが3人いる。さぞかし心残りであっただろう。1ヵ月前に2年ぶりで会って、2晩話し合ったし、食事や酒も楽しんだ。どこか元気がなく、またパソコンで清書すると約束した書類を手書きで持ってきたりして何かおかしいなと感じたが、まさか自殺するまで追い詰められていたとは知らなかった。
 それにしても66年前は戦争でフィリピンの人々に多大な犠牲を日本は与え、そして今回は形は違うにせよセサーやその家族に、大きな悲しみを与えている。先の戦争の根本的な反省をあいまいにしたことにより、こうした無責任な輩がまだ日本にはいる。同じ日本人として、怒りと同時に情けなくなる。
 写真は、在りし日のセサー。合掌

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