2013-02-27

「「東電福島第一原発事故による放射能汚染の現状と課題」(生井兵治)

 私の所属する日本科学者会議の食糧問題研究会では、1月26日に公開研究例会として「東電福島第一原発事故による放射能汚染の現状と課題」(生井兵治)を開き、始めての試みとして下記のユーチューブで配信している。  http://www.youtube.com/watch?v=XO1rKquR0eY  この会の委員長として、冒頭に少し挨拶した私が映像に入っている。こんな便利な時代になったものかと、あらためて驚く。  政府が「収束宣言」を出したりしているが、その後も大気や海水の放射能汚染は進んでいるし、子どもを含めた住民の健康の不安は決して消えていない。人々が注目しているのはガンマ線のセシウムだけだが、より猛毒のアルファ線やベーター線のプルトニウムやウランなどの核種については、放出されているがデータがない。そもそも危険と安全の境界線である「しきい値」が人工の放射能にはないのだから、100ミリシーベルトは論外にしても、20ミリシーベルト以下であれば安全というのも意味がない。それとよく聞くのは、「大人であればガンになるのは10年も先だから」であるが、チェルノブイリ原発事故による影響をみると、事故の直後から血液や心臓の病気が子ども以外でも多く発生している。広島や長崎の原爆によって、直後から何事もやる気の出ない「ぶらぶら病」が出たことも忘れてはいけない。  こうした分からないことがまだまだ多いことを考えると、「正しく怖がりましょう」という一見正論のような呼びかけも、何が正しいのか分からない現状では虚しく聞こえるし、問題を過小評価するだけである。

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