2013-03-10

原発シンポin福島2

 シンポの2日目は、朝8時半から大型バス2台で浜通りの1つである川内村の視察に入った。東電の原発事故により約3200名もの村民が避難していたが、2012年1月にいち早く帰村宣言して役場を戻して対策を講じ、この1月25日現在で帰村者436名と週4日以上滞在する人は約800名ほどになっている。テレビでは何度も見ることのあった遠藤村長から歓迎の挨拶があり、復興の具体的な内容については復興対策課長の井出さんからパワーポイントを使った詳しい説明を受けた。村は盆地のため周囲の山は放射能に高く汚染されているが、役場や農地のある場所は比較的低く、かつ1年目の除染もあって国の規準からみると安全とする場所や農地に大半がなっている。ここで新しい村づくりを積極的にすすめ、除染実施と雇用の場の確保で、①企業誘致と定住構想、②農産物栽培工場、③再生可能なエネルギー導入、④健康・医療・福祉の充実、⑤教育環境の充実を掲げ取り組んでいる。それらの現場をいくつか案内してもらい見せてもらった。写真はその1つの仮設住宅にあるサポートセンターで、カラオケなど住民のたまり場となっている。写真中央のネクタイ姿が井出さん。村の住民に寄り添った独創性は、仮設住宅を含め建物の基礎をしっかりと造り、永く住むことのできる建物にしていることにも現れていた。1戸につき数百万円もかけ、2年とか3年で使えなくなる仮設住宅はもったいないと以前から私も思っていたが、ここでは数十年住むことができる。また1棟は2戸建てで、いずれは中央の壁を取り払って1世帯が暮らすことも想定している。阪神・淡路大震災のときは、1棟に4戸が普通であったが、壁が薄くて特に両隣が他人の部屋になっている場所では、声や音が気になって寝ることのできない人が多くいた。このため95年以降の仮設住宅では2戸建てにすることにしていたが、今回の震災では急いで多数を建てなくてはいけないとのことで多くが4戸建てとなって音の悩みが出ている。こうした住民サイドに立った配慮をしている川内村の取り組みは素晴らしい。まだ課題はいくつかあるが、村の前向きな姿勢が印象的であった。  

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