2013-06-30

東海第二原発を訪ねて

 6月28、29日にかけて、原発問題住民運動全国連絡会センターと同交流会茨城実行委員会による共催で、「東海第二原発の廃炉を求める全国交流集会in茨城」があり参加した。
 28日の1時に東海駅前からバスに乗り、県原子力科学館別館で1999年に2人が被曝して死亡したJOC臨界事故モデル見学などをし、原電(日本原子力発電)・東海ララパークを訪ね、東日本大震災による東海第二原発への影響や対策についての説明を受けた。
 東海第一原発は、日本で一番古くてすでに廃炉となり。2011年3月は解体の作業中であった。第二原発は、1年前に完成した防潮提6mに対し5.4mの津波が押し寄せ、3本の外部電源のうち1本が使用できなくなった。福島第一原発を襲ったと同じ津波であれば、ここも同程度の事故になった可能性があると電源の担当者は話し、同じ県内に住む私は聞いていて背筋がゾッと寒くなった。たまたま福島の浜通りの人が今回は避難しているが、茨城の東海原発やもしくは宮城の女川原発が事故を起こし、その近隣の人たちが避難していてもなんら不思議ではない。
 原電は、カラー刷りの「東海第二発電所の震災時の状況と安全対策強化の取り組み」と題した14ページの冊子を配り説明があった。いろいろと小手先の対応策を書いているが、どれもこれまでの安全神話の域を出ていない。大きな字で、「一部の国では脱原子力発電の方針を決めていますが、世界の大勢では今後も原子力発電はクリーンなエネルギー源として着実に増加する・・」と明記している。ドイツだけでなく世界の大勢は脱原発であり、まったく世界の動きを見ていない。そしてあいかわらず原発こそがクリーンなエネルギーといい切っているが、事故もなく発電するときだけであれば安くてクリーンかも知れないが、自然を破壊して大量のウランを採掘するために、莫大な石油を使ってCO2を出すし、さらには何千年や何万年もかかる(それでも完全に安全になるか不明)核燃料などの廃棄物処理を考えると、経済面でも原発を止めるべきだろう。現にアメリカは、総合的なコストの比較で原発の見直しが財界の中から出つつある。
 原発を再稼働しようとする電源や東電、そして政府の考えは部分最適でしかない。そうではなく、ウランの産出から核廃棄物の処理までの、全てのことを対象にした全体最適を人類は考えなくてはならないだろう。技術開発の見通しがまったくない原発は、廃炉しかないと私も考える。
(写真の正面が東海第二原発で、右が廃炉作業中の第一原発)

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