2013-09-25

「若冲(じゃくちゅう)が来てくれました」展

 9月20日に福島で震災復興支援の交流会があり、前日から福島入りをした。県立美術館で、東日本大震災復興支援特別展として、「若冲が来てくれました」を鑑賞することが1つの目的であった。
 福島駅前のホテルに荷物を預け、徒歩で信夫山ふもとにある美術館へと歩いた。持参した線量計は、0.4μSv/hから0.5を推移し、あいかわらず高い。年間にすれば4~5mSvになり、チェルノブイリの基準であれば移住の権利か義務の対象地である。もう誰もマスクをせず、途中で会った2か所の除染工事をしている人も、ヘルメットはしているがマスクなしの人もいて驚いた。
 プライスコレクションによる展覧会は、-江戸絵画の美と生命ーの副題があり、やはり若冲の作品は見応えがあった。中でも花も木も動物もみんな生きているとした「鳥獣花木図屏風」は圧巻で、小さな桝目を無数に並べた手法も独特で面白かった。他の作者の作にも、白い象と黒い牛を対比させた屏風もあれば、蜂を見上げている猿のリアルな表情など、どれも遊び心をいれたユニークな作品であった。
 江戸時代は、普通に考えるほど窮屈でなく、それなりの独自文化が大きく花開いたとみてよいのではないだろうか。
 20日の午前中は、食のみやぎ復興ネットワークに関わっている内池醸造を福島市郊外に訪ねた。駅から工場までは広いリンゴ畑で、台風18号のせいかいくつもの赤いリンゴが落ちていた。
 午後からの交流会は、全国から170名も集まり、高知からだけで15名もいて驚いた。各地のコヨット企画でお世話になった人も何人かいて、夜の交流の場も福島産の料理やお酒で
楽しく過ごすことができた。