2015-04-02

仮設住宅で三味線の演奏

 埼玉県坂戸市に住む今野強・和子夫妻が中心の、「つながって生きてこな! 愛とヒューマンのコンサート」として、3月31日から4月2日まで福島の仮設住宅などで、津軽三味線の五錦雄吾さん(33歳)の演奏があり、31日に同行させてもらった。
 30日の夕方に今野宅をおじゃまし、五錦さんを含めて4人で食事しつつ話を聞かせてもらった。今野さんの取り組みは、坂本弁護士の救援、阪神・淡路大震災、中越地震、東日本大震災と多彩で、資料だけでも膨大にあり、次々と映像も見せてくれるが、あまりにも数が多くてメモをすることもできない。五錦さんは途中で寝たが、深夜の1時近くまで今野夫妻とお酒を交わしつつ楽しく話を聞かせてもらった。
 5時に起きると、すでに奥さんは8個の弁当の準備をしていたので、その箱詰めを手伝う。慌ただしく6時に出て、カメラのグループ4人を含め8人を乗せたバンで北を目指した。途中のサービスエリアで朝食をすませ、10時半には目的の福島市笹谷仮設住宅の集会所へ到着した。それまでずっと、膝を悪くしている今野さんの運転である。替わってあげたいが、私はペーパードライバーで、高速道路は走ったことがない。
 11時から集会所で演奏があり、じょんがら節に続いて、斎太郎節や会津磐梯山などでは、2週間前に会った大和田さんがマイクを持って立ち、歌詞の紙を手にしてみんなと一緒に楽しく歌った。粋な都々逸もあれば、最後に津軽三味線の聞かせどころでもある曲挽きとなり、ビンビンとまさしく叩くとの表現がぴったりの音が集会場にあふれた。
 次は福島医療生協の組合員センター開所式で、市の南に位置する蓬莱町へ。昨年の取材で会った人も複数いて、お互いに驚いた。50人ほどが、熱心に聞いていた。
 4時半からは市内の矢野目仮設所での演奏となった。集まった40人ほどの中には、陽気な方も多く、三味線に合わせて歌や踊りとそれは賑やかな場となった。
 演奏を終え、飯館村の保養施設がある飯坂温泉へ。温泉で疲れを癒やした後は、飯舘の3人を含めて食事をしつつ懇談した。借り上げのアパートで暮らしている女性は、娘や孫が神奈川にいるとのこと。これまでの「愛とヒューマンのコンサート」を何回も聞き、それでどうにか前向きになれたという。
 懇親の場に最後まで残ったのは、飯舘の2人と私の3人。1升ビンの日本酒が空になり、焼酎やワインも飲んだ。
 翌朝にまた温泉へ入り、昨晩のアルコール分を抜いてから、一行と分かれて飯坂温泉駅へと向かった。ずっと同行したかったが、1日は11時から埼玉でどうしても外せない用事があり、新幹線で向かった。
 ボランティアで協力する演奏家、企画する今野夫妻、そして被災地で受け入れをしてくれる人たちとの協同である。ぜひ今後とも同行させてもらい、音楽を通した復興のドラマを追いかけたい。

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