2015-12-11

2015年ネパールの旅②

 物の乏しい場所に行くと、物の価値がよくわかる。水もその1つである。日本ではどこにでもある蛇口をひねると、すぐにきれいな飲み水が出てくる。ところがネパールでは、首都のカトマンズのホテルですら、ときには水が勢いよく出ないことがある。ましてや山村では、湧水を集めて利用しているため、その場所まで出かけていって汲んでくるしかないし、さらに乾期ともなれば水量がかなり減るし枯れることもある。
 多くの里子の暮らすチョーバス村では、集落からかなり離れた場所で湧水をコンクリート製のタンクに集め、それをパイプで集落の近くまでひいてきて小さなコンクリート製のタンクに貯蔵し、25世帯が使用している。ところがどちらも老朽化して亀裂が入るなどし、必要な水量を使うことができなくなっていた。そこで日本から支援しているNGOであるHEENEPに村から相談が以前からあり、昨年私が委託した100万円の半分を使って造りたいとのことであった。現地を見て必要性は理解できたが、肝心の計画書がない。村の有力者に話を聞いても、とにかく金を出してほしいと説明するだけで、どう村人が協力して造るのかにまったく触れない。援助づけの典型で、これでは村人の自立につながらない。援助するのは材料代を中心とし、集落で労力を出し合って協同して造る計画をきちんと出させて、それをHEENEPが納得すれば実施するよう責任者へ伝えた。
写真は、湧水を貯める源水のタンクで、鉄製のふたが腐食し、石を乗せていた。

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