2016-08-14

月命日に石巻での「愛とヒューマンのコンサート」

 8月11日の早朝に、上野駅からの東北新幹線で仙台に向かう。お盆休みで自由席の混雑を予想していたが、空き席がいくつもあり拍子抜けした。おかげで席に座り、いつものようにビールを飲みつつノートパソコンで原稿書き。
 1年ぶりとなるなつかしい石巻駅で降り、荷物をホテルに預けてコンサート会場のアイトピアホールへ入る。途中で津波を被ったピアノを再生して話題になった楽器店のサルコヤを訪ね、ご主人と立ち話をした。塩水に浸かったグランドピアノ約1万点の部品をリニアルし、見事に再生している。それもすでに6台目となっているから驚く。
 会場ではベッセラさんとアルパの池山由香さんが熱演してくれ、約80人が楽しんだ。ベッセラさんは楽譜で指先を切るというアクシデントがあったが、すぐにバンドエイドで止血し普通にいつものように連打したから凄い。私は休憩前に本の紹介をさせてもらい、生の音楽の素晴らしさを強調させてもらった。会場には大川小学校で2人の子どもを亡くし、その紹介を先の本でも触れさせてもらったお母さんが来ていて挨拶をさせてもらった。まだ妹さんの遺体は戻ってきていない。彼女は「今日は2人と聴きに来ました」と言って、手帳の表裏にある2人の笑顔の写真を見せてくれた。思わず私は涙があふれ、おじぎをするのが精一杯であった。
 教員の判断ミスで尊い74人もの子どもの命を亡くした大川小学校の裁判では、この秋に判決が出るとのこと。経過や責任をぜひ明らかにし、他の学校や原発事故など日本にはびこる集団無責任体質に、少しでも風穴を開け二度と同じ悲劇を繰り返さないでほしい。
コンサート会場

サルコヤさんの再生ピアノ1号(クミコさん所有)を弾くベッセラさん



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