2017-01-16

ロシアの旅1 かつての憧れの地へ

 2017年1月10日から15日の日程で、全食事付きで10万円を切るという格安ツアーがあり急ぎ足でロシアを訪ねた。この時期は零下20℃にもなり、客がほとんどいないので安い。成田から10時間ほどでモスクワに入り、国内線でサンクト・ペテルブルグへ入って3泊した。飛行機は評判のあまり良くないアエロフロートで、楽しみにしていたアルコールはワインだけで、それも食事のときだけ。
 私は20歳で高知から東京へ出てくるとき、トルストイなどのロシア文学に魅力を感じ、いずれソ連に留学したいと願っていた。昼間は生協の食堂で働きつつ、代々木の日ソ学院でロシア語を少し学んだ。それまで5年間も学んだドイツ語よりもロシア語は変化が多くて複雑で、かつ日本からソ連への留学制度が狭まったこともあって断念した苦い想い出がある。それでも厳しい自然の中で育んできたスケールの大きなロシアの小説や詩、そして哀愁を帯びた民謡があるし、また失敗したとはいえ社会主義の後を一度は訪ねてみたいと憧れていた。
 その一方でアフガニスタンへの侵攻や、最近であればチェチェンやウクライナとの関係などで理解しがたいソ連やロシアの動きがあり、興味・関心が以前に比べると薄らいできたことも事実であった。
 それでも動ける時にと思い妻と出かけた。12月中旬に4人目の孫が園で骨折し、休職した娘がずっと泊まりに来ていたが、10日からは割り切ってアパートへ戻ってもらった。
 『異端の人間学』という五木寛之と佐藤優の新書の異色対談集をゆっくり読みつつ、短期間で寒かったが想い出に残るミニ旅であった。
サンクト・ペテルブルグの聖イサク寺院。柱にはドイツ軍の砲撃の痕がいくつもある。


 

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