2017-02-07

1月の被災地訪問1

 昨年暮れから正月明けにかけては訪ねることができなかったが、1月30日から2月1日まで岩手県と福島県に入った。今回は「障がい者と震災」をテーマにし、被災地における共同作業所などで、障がい者とその仲間たちによる震災復興の取り組みを取材した。この震災における死亡率で、健常者より障がい者が2倍も高く、障がい者の目線で復興を追いかけ、社会の在り方にも迫る予定である。
 30日は早朝に家を出て上野駅から一路北上し、一ノ関駅で新幹線から在来線に乗り換えして粉雪の舞う水沢駅で下車した。駅前のホテルに荷物を預け、20分ほど歩くと目的の「ひまわり会すてっぷ」に着いた。一般雇用契約のない就労継続支援B型事業所で、市内に3店舗の喫茶店営業や、パッカー車を使った廃品回収もあれば、餅屋ぷくぷくでの餅類製造もしている。
 施設長の小山さんから、岩手県における震災後の取り組みについて詳しく聞かせてもらった。メインは一本松で有名な陸前高田市である。私も何度か震災後にこの街を訪ねたが、あまりもの被害に言葉もなかった。町が壊滅した中で、「ノーマライゼーションという言葉のいらない町」を目指して、市長を先頭にして頑張っている。ここでは建前の抽象的な議論ではなく、障がい者の当事者も議論に参画し、具体的な政策を立案して実行に移しているから凄い。小山さんたちJDF(日本障害者フォーラム)の取り組みもさることながら、それ以外にも理論的な方向を示した学者もいれば、市役所の担当職員、東京に事務所があって障害がある人の権利と働く場を守りながら、社会の一員としての自立をめざしてきた一般社団法人ゼンコロ、地元の共同作業所、そして障がい者などが熱い志で協力して進めている。小山さんからそれぞれ関わった方を紹介してもらい、今後の取材先の目途を付けることができた。
  

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