2017-02-18

2月上旬の被災地訪問

 2月13日から17日にかけて福島県南相馬市に入った。今回は、全国にある小規模共同作業所の全国組織である「きょうされん」の支援者5名に同行させてもらっての取材である。
 浜通りにある人口約7万人の南相馬市では、地震や津波だけでなく放射能の影響もあって、住民が安心して暮らすためには、まだまだ厳しい状況が続いている。そのためきょうされんでは、長崎・福岡・兵庫・神奈川・京都から男性3と女性2の幹部を選んで定期的に支援し、今年度は3か月に1回の研修会を3日間開催して人材育成を進めている。
 南相馬にあるデイケアの施設に泊まり込み、午前中は市内の各地にある作業所を見学して施設長さんなどから話を聞き、午後は主任・所長・職員と日替わりの研修会を傍聴させてもらった。
 市内ではまだ除染作業がおこなわれており、約1万人の市民が今も避難している街である。そうした厳しい状況下で作業所が閉鎖になってもおかしくないが、逆に事業を拡大させているところもあるから凄い。障がいをもった利用者の1カ月間の作業による手取りは、全国的にみても平均は1万7,8千円あたりだが、南相馬では弁当など付加価値の高い商品を提供し、3万円とか6万円の作業所もあって驚いた。
 何人もの女性の責任者に会った。元は家庭をきりまわすだけの普通の女性が、震災で作業所も大変になり、利用者や職員も散りじりバラバラになった後で、「また一緒に働きたい」との声に応えて歩みはじめている。共通しているのは底抜けの明るさである。

 
 

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