2017-09-12

3カ月ぶりの陸前高田

 9月5日の朝4時過ぎに眠い目をこすりながら家を出て常磐線に乗り、上野駅から新幹線で一ノ関へ行き、乗り換えて気仙沼経由で陸前高田へ入った。自費の取材のため経費を安くするため、今回はJRの東北フリーパス券を使い、通常では片道で1万5000円ほどするが、往復で同じ額だからそれは助かる。もっとも使えるのは年に数回で、それも4日間だけだから限定的ではあるが。
 津波が襲った陸前高田の市街地は、今も7mほどのかさ上げ工事が進み、すでに完成した中央部には大きなショッピングセンターや児童公園が完成し、また夏に図書館もオープンしている。そこのバス停で下車し、持参した折り畳み自転車を組み立てて目的地の「あすなろホーム」をめざした。
 12時からの誕生日会に参加させてもらった。職員さんたちからのサイダーや菓子の差し入れがあり、昼食を兼ねてバースディパーティーの歌などもあった。
 顔なじみの利用者さんも何人かいて挨拶もした。その一人の30歳半ばのマー君は、今回も次作の詩をいくつか見せてくれた。その1つである。
 「手をとりあって
 仲間が一人でも 氷のようにかたい
 ながれる 氷もあるんだって
 ぼくでも よければ
 手を とりあって行こうよ
 作業場近くまで ながれるように
 手の平の チカラをあたえもらい
 ぼくは ただ仲良くしたいだけだし
 仲間が一人でも ながれすぎて
 つらそうな時 みてみぬふりって
 ぼくは もうしたくないんだ
 だから そう手をとりあって
 心のいやせる しゅんかんを
 ぼくは 仲間といっしょに
 いたいだけなのだ」
 ダウン症の障がいが少しあるマー君は、原稿用紙に書くにも時間がかかったことだろう。日頃の作業所での一コマを、ていねいに描いていてホッとする素敵な詩だ。
 取材ではこうした人に会うことができるので楽しい。

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