2017-10-28

原発事故から時間の止まった地域 浪江町請戸(おけど)の今

 10月22日(日)はどこの作業所も休みで、取材をすることができない。かといって部屋で原稿を書いているのはもったいない。そこで電車を使い、雨は降っていたが常磐線終点の浪江町へ出かけることにした。
 荷物を減らすため自転車を入れる専用の重いビニール袋を持参せずに、無人の鹿島駅で自転車を折り畳んで乗った。すると車掌が寄ってきて、袋に入っていない自転車は持ち込み禁止とのこと。やむなく原ノ町の停車時間に、駅員に相談して大きなビニールをもらって入れそのまま乗車することができた。
 鹿島から30分ほどで浪江の駅に着き、自転車を組み立てて町中を走った。駅に数名の人はいたが、町に出ると商店はシャッターが降り、歩いている人はまったくいない。巡回しているパトカーから、不審そうな顔をした若いポリがこちらを見ていた。放射能の空間線量を測定して表示するモニタリングは、駅前で作動してなく、他はだいたい0.2μSv/h前後であった。
 事故を起こした原発に近づくため海岸方面を目ざし、何回も訪ねた請戸(おけど)港に向かい、30分ほどで着いた。除染したゴミの仮置き場と焼却炉が橋の手前にあり、写真の道路の突き当りの林の中に事故を起こした福島第一原発があって、一面の黄色いセイタカアワダチソウの向こうに晴れていれば4本の煙突を見ることができる。
 一角にある被災した住宅は当時のままで、6年7カ月の時間が止まっていた。できれば原発の近くまで走りたかったが、台風21号の影響で雨と風が強くなってきたので、2時間ほどの散策を終えて駅に引き返した。

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