2018-05-09

南相馬を訪ね1 常磐線で北上

 5月2日の朝6時42分に、また折り畳み自転車と大きなリュックを背負って取手駅から常磐線に乗り北上した。南相馬へはこれまで上野、福島経由で入っていたが、はじめていわき経由にした。放射線量のまだ一部に高い場所はあって心配はあるが、新幹線を使う福島経由より費用は半分以下で助かるし、現状を見たい思いもあった。
 普通車なので水戸といわきで乗り換え、常磐線の開通している富岡駅に着いたのが11時9分。駅周辺から海岸あたりのガレキは撤去され、真新しい広い道路が伸びていた。ここからは、30分まって代行バスに乗り換えて国道6号を北上する。バスガイドが、「帰還困難区域を通過するため、窓は絶対に空けないように」とアナウンスした。
 6号線を走ると、左右の路地や家屋への入口は全てフェンスで通行止めになっている。富岡駅前で0.2μSv/hだった手元の簡易線量計は、ぐんぐん高くなり12時前に3.94にもなったのには驚いた。呼吸による内部被曝を防ぐには息を止めるしかないが、10分も止めていたら死んでしまい、それでは意味がなくなる。
 車窓から見る風景は、田畑や庭などが一面の雑草で、屋根の崩れた家屋もあれば、窓ガラスなどが割れたままの事務所などもある。もちろん人影や洗濯物は皆無で、人の営みをまったく感じられない異様な空間がしばらく続いた。震災からすでに7年と2か月たっても、時間がここでは止まったままである。
 浪江駅に12時10分に着き、常磐線の電車に乗り換えて鹿島に着いたのは13時5分であった。

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