2018-08-20

千葉の有機米生産者を訪ねて

 8月17日の昼に愛用の折り畳み自転車をさげて、取手駅から常磐線と成田線を使って千葉県の中ほどにある有機農家を訪ねた。船橋農産物供給センターで米生産部長の梅沢さん(72歳)から、農業のこだわりを聞き、あわせて田畑を見せてもらうためである。かつては広大な手賀沼の広がっていた場所に、江戸時代から昭和の戦後にと続く干拓事業でできた地域の1つでもある。奥さんと2人で、米以外にもトマト・甘長唐辛子・ピーマンなどを育てている。24歳から45歳まで町議をしていたときもあるが、それ以降は農業一筋で働いている。同じ唐辛子でも品種はいろいろとあって、収穫が少なくなると、翌年は別のものに替える。すると植える時期や栽培方法なども変化することがあり、いつも頭を使って工夫をしている。それだけ大変だけど、だから楽しいと笑っていた。
 近くの畑を案内してもらった。ビニールハウスの横で甘長唐辛子を栽培している畑は、周囲を2mほどの背丈の草であるソルゴーを生やして風除けにしていた。また畑の中央には、特殊な街灯をつけて夜間に害虫を駆除していた。作物を守るためいろいろと工夫をしていることがよく分かった。
 梅沢さんのこだわりというか楽しみの1つは、農作業から出てくる俳句創りである。センターで季刊に発行している「おいしい野菜通信」には、野良爺の名前でいつも素敵な俳句が載っていて私も読んでいた。最近だと以下である。
 ・泥靴と 畑に別れ 春の月
 ・線香の けぶり掻き分け 茗荷の子
 手帳にでも書いているかと聞くと、ひらめいたときに携帯電話へすぐ入力し、今は70首ほど保存していると見せてくれた。こんなにして農業を暮らしの中で楽しんでいる生産者がいると、私も嬉しくなる。

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