2018-11-11

11月の寺子屋

 10日の夕方から寺子屋が開催となり、亀有にある寺へ出かけた。前半はゼミ形式の参加者報告で、今回は雑誌「かがり火」に連続対談「そんな生き方あったんや!」を連載している杉原さんからであった。30年近く続くこの雑誌は、地域社会に生きる無名人を取り上げ、全国にいる260人もの支局長も大きく支えている。これまでに連載した8人の紹介を聞くと、やはり人間っていいなと再確認できた。
 後半は哲学者内山節さんから、法華経の第14求法者たちが大地の割れ目から出現した、第15如来の寿命の長さについて、岩波書店の本をテキストにしての解説があった。法華経は釈迦が亡くなって400年ほどたってからできた経典で、普通は法華経というと日蓮宗を思い浮かべるが、聖徳太子が大切にしたり曹洞宗などでも重視しているとのこと。経典の現代訳を読んでも、私にはどうもピンとこないことが多々あるが、内山さんの解説がおもしろい。今の日本社会は西洋文化を取り入れ何事も個で成立っているが、仏教は全体が繋がっているとし、これからの日本や世界を考えるうえで大きなヒントにあるとのこと。さらには哲学について、以前は観念論と唯物論との分け方であったが、そんな単純なものでなく、あえて分けるとすれば人間信用を前提にするか、人間不信を前提にするかで、仏教は前者になるとのこと。観念論と唯物論を対比させていた私はギクリとした。
 8時からアルコールも入ったいつもの懇親会となり、内山さんとしばし話をさせてもらった。日本の仏教界が、仏教を変化する運動体としてとらえずに衰退している中で、世界の平和をめざしている日本山妙法寺の動きは評価していた。また福島の原発事故による自殺者への寄り添い方について聞くと、とにかく大変お疲れ様でしたと心底から弔うしかないとのことで納得できた。

 14日の夜から22日までネパールへ半年ぶりに飛ぶことにした。私の8人いる里子の中で、4月に会ったある里子の若い母親が自殺したとのことで、詳しい事情を聞くことと、日本の医療生協が20年前から支援しているカトマンズのモデル病院での聞き取りがメインである。

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