2019-02-24

農家へのエール

 庭にたくさん咲いているノースポールの1株を小さな鉢に移し、机の上に飾って原稿書きなどで目が疲れると愛でている。それにしても寒さに強い花で、霜や小雪にも負けず咲いている姿が清々しい。机の上の花びらは、夜になると閉じて、朝日をあびると少しずつ開く。
 21日に生協と長年つながっている千葉にある有機農業の生産者団体から頼まれて、「農家が元気になる話」をさせてもらった。1年前からの聞き取りをしている人を含めた70人ほどの農家に、私は以下のような話をさせてもらった。
 どこも農家も高齢化と後継者不足が深刻で、このまま推移すると後5年もすれば、日本の農産物の生産は激減してたいへんなことになる。それほど農業は魅力のない仕事だろうか。都会で時間と数字に追われてメンタル不全になるほど働き、悩んでいる人は多い。そうした人からみれば、たとえ収入額は減少しても自然の中で、農作物を相手に人間らしく健康的な仕事をすることは、このうえない喜びとなる。
 九州のある生協では、障がい者の働く場として椎茸栽培をはじめたところ、その運営に関わるポストにおおぜいの職員から立候補があった。それも優秀な人が多かったと担当役員から聞いた。2009年に設立したイオンアグリ創造(株)は、全国21か所の350haの畑で野菜を育て、近くの店舗で販売している。そこで働く650人の平均年齢は29歳で、かつイオンの職員などに募集をかけると定員の100倍もの応募があるから驚く。
 こうしてみると農業に魅力を感じている若者は多く、高齢化や後継者不足や嫁不足は、時間を大切にする若者の目線で働く環境などを改善すれば解決するはずである。低い米価格や、生産者の負担となる農作物の過剰な選別など、社会的に改善すべき課題はたしかに多い。
 と同時に農家が、自らの仕事や暮らしの中で楽しみ、誇りを持って後継者や消費者にアピールすることも大切である。農業しつつも俳句をいつも創っている野良爺さんが会場にいたので、その紹介もさせてもらった。
 

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