2019-02-06

南相馬での「愛とヒューマンのコンサート」

 30日の夜に成田空港から帰宅し、リュックの荷造りを替えて31日の早朝に家を出て、埼玉からの車に乗せてもらい南相馬を目指した。常磐自動車道を北上して原発事故の近くになると、放射線の空間線量を電光表示し、最高は2.70μSv/hもあって緊張する。
 昨年に続く「愛とヒューマンのコンサート」で、今回はアルパの池山由香さんだけでなく、尺八の林真山さんも同行してくれた。このため2日間に5回ものミニ演奏会を、じっくり傍で聴くことができた。
 演奏会場には、「つながって生きていこう 愛とヒューマンのコンサート」と「生演奏は心の酸素」の看板を掲げ、さらには2018年に24歳で亡くなったフルート奏者の夢を託したバラと乙女の顔写真を飾ってある。アルパと尺八による春の海、コーヒールンバ、北の国から、コンドルは飛んでいく、糸など、1時間の演奏を楽しむことができた。アルパと尺八の共演がどうなるか楽しみだった。尺八の低音とアルパの高音がよくマッチし、何回も思わず涙が流れるほど印象深い場となった。
 2日目に訪ねた作業所「はらまちひばり」では、ちょうど誕生日の利用者がいて、アルパと尺八でハッピバースデイ・ツーユーを演奏し、サプライズに本人は驚いていた。また軽やかなリズムに合わせ、男性2人がフロア狭しとヒゲダンスなどを踊ってくれた。
 続く作業所「えんどう豆」ではさらに盛り上がり、利用者の4人の男女が曲に合わせ楽しく舞ってくれたし、後半はお礼として障がい者とスタッフによって手話の歌などを披露してくれた。
 途中で驚くことが起きた。障がい者の男の子が、踊る前に飾ってある乙女の写真に向かい、座ってしばらく合掌してくれたのである
。そのときは亡くなった女性の解説を何もしてなく、どうして気付いたのか不思議であるが、何か写真から感じて両手を合わせたのだろう。
 2人の演奏者にとっては、コンサートホールなどと異なり、目の前で全身で音楽を楽しんでもらい、あらためて自らの音楽の原点を確認することができたようで喜んでいた。
 来年もぜひまた訪問したい。

0 件のコメント:

コメントを投稿