2019-04-08

4月の寺小屋

 4月6日の夕方から都内亀有の延命寺で開催の寺小屋に参加した。3月はなかったので2か月ぶりの場で、約20人が集まった。
 前半の1時間半は、神奈川から参加の僧侶の藤木から、この8月に完成する新しいお寺の報告があった。住職がいなくなって廃寺になった話は各地で聞くが、新しくお寺を建てるとは私は聞いたことがない。もうすぐ完成する2階建てには、本堂の他に文庫やギャラリーもあれば、精進料理の食堂も備え、地域に開放したお寺にしたいとのこと。所属する曹洞宗にこだわらず、他の宗派との境をなくし、また自分史講座なども開き文化面でも交流の場を考えているので、新しいお寺として期待がもてる。
 意見交換のときにお寺のイメージが話題になったので、私は「4年前に義父が他界したとき、安くしましたと言って70万円の戒名代をとられ、日本の寺のイメージは悪い。他方で、ネパールの里子の両親は、首都カトマンズのお寺のトイレ掃除をし、そこでの安いチップ収入で敷地内にて家族で暮らしており、地域に開放されていて親近感が持てる」と話させてもらった。地域でお寺を反対する人もいるとのことで、まだご苦労はあるようだが、8月のオープンが楽しみである。
 寺小屋の後半は、哲学者の内山節さんによる華厳経の解説であった。現代文になった経典の後半をテキストにして、あらゆるものがつながっているとか、仏教の一般的な因果論は、原因から結果への直線で論じるが、華厳経では因→果→因→果とサイクルとしてとらえるので円教と呼ぶことなども知った。ユニークな教えで、仏教経典を思想書として読むのは楽しい。
 8時半頃から懇親会となり、各自の持ち寄ったつまみと寺から提供のアルコールなどで楽しく懇談した。内山さんに今の沖縄を理解するためには、琉球時代の宗教も知る必要があるのではと聞くと、日本の修験道とつながっていたとの記録はないが、内容はたいへん似ているとのことで参考になった
。次回からテキストで使う『修験道という生き方』の単行本を私も購入したので、辺野古の理解にもぜひ活かしたい。